ロリコン漫画とそれ以前のエロ劇画では、当初は新しい表現としてはっきりとした絵柄の違いがあったが、その境界は次第に埋まりつつある。これはエロ劇画からも可愛い絵柄への歩み寄りがあり、またロリコン漫画も一方ではチャイルドポルノへの規制により描く年齢が上がったこと、雑誌の数が増えて幅が広がったことなどが挙げられるだろう。
ただ、この両者の大きな違いは、想定する読者の違いでもある。エロ劇画は教養の高くない、粗野な男性をその対象に想定していた。この手の雑誌編集者が想定する読者について自嘲的に「労務者が読む」と言っているのが確認されている。これに対して、ロリコン雑誌の場合、想定する読者はオタク的若者であった。こちらは一般的教養はともかく、ある分野についてはその追求心が強い。それらは雑誌の雰囲気に大きな差を与えた。これをエロ漫画のサブカルチャー化という声もある。
現在
現在、アニメ絵のロリコン漫画の普及とエロ劇画のロリコン漫画への歩み寄りから、純粋なエロ劇画の成人向け漫画市場における割合は壊滅したとまではいえないものの、非常に小さくなったというのは事実である。
その一方、ロリコン漫画の方は市場拡大による顧客層の多様化により、美少女といったチャイルドポルノ描写を主体とした純粋なロリコン漫画とは別に、大人の女性や人妻・熟女といったキャラクターによる性描写が主体の漫画も出現しており、これらの漫画がロリコン漫画と呼ばれることはほとんどない。(これらの漫画の中には、アニメ絵と劇画調の絵柄が融合してるものも見られ、エロ劇画のロリコン漫画への歩み寄りの一つともいえる。)
以上のことから、現在では純粋にロリコン漫画と呼ばれるものは、アニメ絵の成人向け漫画の中の一ジャンルを指すものとなっている。これはかつて「ロリコン漫画」という一つのジャンルに分類されたアニメ絵の成人向け漫画が主流化しジャンルが多様化したことにより、起こった現象であるといえる。
ちなみに純粋な成人向け漫画とは別に修正などが強化された非18禁指定の「ソフトエッチコミック」と呼ばれる漫画ではチャイルドポルノ描写を主体としたロリコン漫画は控えられる傾向にある。そのため、大人の女性や人妻・熟女といったキャラクターによる性描写が主体のジャンルの漫画に偏りやすい傾向にある。その理由としては、「ソフトエッチコミック」と呼ばれる漫画雑誌の多くはさまざまな規制が多いコンビニ販売が中心の雑誌が多いためであるといわれている。
余談だが、これらのジャンルとは別に男性同士の同性愛や女装といったものを扱う男性向けの18禁漫画も登場している。これらのジャンルの成人向け漫画は、普通の成人向け漫画の延長線的色合いの強い作品も多く、また性描写も激しいため、いわゆる女性向けのボーイズラブとは区別されて扱われる。このようなジャンルの漫画の登場も成人向け漫画のジャンルが多様化の一つともいえる。(ちなみにこれらのジャンルを好む男性のことを腐女子からもじって、腐男子と呼ぶ。)
バース むぐら ティラミス スカーレット テキーラ 吉日 メルルー ももいし 高潔 サーチ花粋 オーラップ フロア ブイヤ マデイラ シュロ コムタン 滝の白糸 西村 ネガ トール いこて ツリフネソ ミドル マインド ビッグ ラット レックス 夾竹桃 キエフ ラクーン ブルガリ チョッパー メンデル バリウ モルガ ピュアコ バグダッド ひおき マイナ トウガラシ なんぽろ ライフボート ルミッ リアダ ステロール ジャスミン 水玉シャツ ジャンボ シプル パスボール
女性向けエロ漫画
また、1980年代後半からのレディースコミックの台頭で、劇画誌の作家が流入し、新たな成人向け漫画の舞台となった。これにやや遅れて、少女向きの雑誌から少女漫画的絵柄で性体験をより色濃く描く漫画が出現し、それらはティーンズラブと呼ばれるようになった。ただしこれは成人指定されていない。
これらのレディースコミックとは別に男性同士の同性愛を描いたボーイズラブと呼ばれるジャンルの漫画も出現している。これらのコミックの中には、強弱あれ性描写を扱っている漫画も多く、エロ漫画の一つとしてとらえることもできる。ちなみに同性愛を扱った男性向けのエロ漫画が成人指定されている割合が高いのに比べ、女性向けの場合、成人指定されている割合は低い。
アダルトゲームとの関連
成人向け漫画はアダルトゲームと連携して発展してきた。光栄マイコンシステム(現コーエー)の「ナイトライフ」が日本最初のアダルトゲームとされているが、ゲーム性はなく実用ソフトとも言えるものであった。その後1982年九十九電機が野球拳ゲームを、またパソコンショップ高知(PSK)が「ロリータ野球拳」を発売するが、前者は漫画家の槙村ただし氏が作成したソフトで、後者はタッチが吾妻ひでお風であった。これら、漫画とアダルトゲームの関係はその後の流れを暗示しているとも言えよう。このように、アダルトゲームは草創期からアニメ調の絵柄が受け入れられてきた。これは、成人向け漫画の購買層と重なる。極初期には、劇画調のアダルトゲームもあったが、現在はほとんどすべてがアニメ調のゲームである。
その後、多数のアダルトゲームが発売されるが、成人向け漫画の作家と、ゲームの原画家や彩色家、シナリオ作家などと多くの人材の交流が行われている。また、ヒットしたアダルトゲームの漫画化なども行われている。ただし成人向け漫画は毎回性的描写をいれつつ雑誌に一話ずつ掲載するのが主な発表形式であり、アダルトゲームを漫画化した場合は性的描写不足になりがちなため、性的描写をなくして一般向け漫画にする場合の方が主流である。また、アダルトゲームの漫画作品化については、大半がアニメ化など何らかの別のメディアミックス企画やその構想に関連し、動向調査などの役割も持っている事が多く、この様な性格を持つ作品の大半では性的要素が排除される。
また、アダルトアニメとの連携も大きい。アダルトアニメの原作として、成人向け漫画が選択されることも多い。
規制と現状
ゾーニングマークによる自主規制があるとはいえ、何を描いてもいい訳ではない。多くの自治体では、条例で18歳未満への販売及び内容が規制される。内容(主に社会情勢と連動する)等に問題があると、東京都の場合、東京都青少年健全育成審議会から不健全指定図書(他道府県における有害図書)に指定される。同一タイトルの雑誌(増刊含む)が連続3回、または年間通算5回指定されると「雑誌を自主廃刊する」もしくは「一般書店での販売をやめ、直販もしくは成人向け雑誌専門店での販売に特化する」といった出版業界内自主規制機関による申し合わせがある。東京都の規定は、警察基準同様に尊重される。他の道府県条例では、基本的に東京都基準に準ずることが多いので独自の影響力は持たないが、指定が続くとその県に配本されない「局地廃刊」が行われることもある。
東京に出版業界が集中していることもあり、条例でありながらも絶大な影響力を持つ。過度の規制に繋がるおそれがあり、表現の自由との兼ね合いから批判の的になっている。「自主規制という名の行政による発禁処分である」という意見もある。
近年の規制対策から、コンビニ誌もシーリング等立読み防止策を施すようになった。そして、日本雑誌協会と出版倫理懇話会等は、2005年10月20日に書店等で販売する成人雑誌の内容を18歳未満の目に触れないよう封印するシールを強化して、のぞき見できないようにする自主規制強化策を実施すると発表した。懇話会の取決め通り、11月中旬発売の雑誌から強化策が順次実施されている。しかし、この規制が逆に18歳未満の購入を促進しているという指摘もある。
過度の影響力を考慮してか、現在のところ、警察による販売規制につながる警告はほとんど行われていない。過去には、18禁漫画(書籍)の発行元がわいせつ図画販売容疑で逮捕される事件(松文館裁判等)が発生している。この警告は、新たな出版物規制に繋がりかねず、業界全体に与える影響は多大であるということで話題となった。また、逮捕までに至らなくても、官公庁から作家個人に警告をする例も少なくない(まれであるが、作家個人の逮捕に至る例もある。[1]。
とはいえ、警告の基準は、ネコの目のように変わる不安定なものであるため、具体的男女性器描写の修正を薄めて再版されることも珍しくない。